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annachoi

別れたことはまだ本当に親しい人にしか話すつもりはなかったけれど、仕方ない

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別れたことはまだ本当に親しい人にしか話すつもりはなかったけれど、仕方ない

"  別れたことはまだ本当に親しい人にしか話すつもりはなかったけれど、仕方ない。同情されて朝から惨めな気持ちになることを覚悟の上で、打ち明けよう。「あの、実は……」「別れたって昨日噂で聞いたんだけど、本当なの?」「え……」「変な噂が出回ってるのよ。七瀬さんが二股かけてたとか、男を連れ込んだ現場を見られたとか……」「え!?」なぜそんな真逆の事実が噂になって出回っているのだろう。
思い当たることは、ただ一つ。三日前、蘭と青柳に遥希と別れたことを打ち明けたとき。あのとき、場所が院内の食堂だったため、周りには多くの人がいた。隣のテーブルとの距離は近く、私たちの会話は他の人luxury packaging manufacturersったと思う。誰かが私たちの会話を聞き、話の内容を勘違いしたまま噂として広めてしまったのだろう。出回る噂の内容が真実ではないことは、よくあることだ。「私がそんなことするわけないじゃないですか!それに、別れたことは事実ですけど実際は真逆ですから」私は少しムキになって反論した。""  「そうよね。私も七瀬さんは二股なんてするような人じゃないから、おかしいと思ったのよね」「その噂……かなり広まってるんですか?」「私は別の科の看護師仲間に聞いたの。どこまで噂が広まっているかはわからないけど……女性スタッフの間ではあなた今注目の的よ」
男性はあまりそういった噂話に興味はないかもしれないけれど、女性は違う。噂好きじゃない女性なんて、見たことがないと言ってもいいくらいだ。せっかく今日は朝から気分が良かったのに、一気に憂鬱になっていく。「大丈夫よ。私がちゃんと看護師仲間に、事実は違うんだって説明しておくから」「本当にお願いします」甲斐や蘭、青柳の耳にもこの噂が入れば、きっと事実ではないと否定してくれるだろう。それに、この程度の噂なんて長くて一週間くらいで皆飽きる。でも、今日からその噂に耐えなければならないのだと思うとお腹が痛くなる。「けど、事実は噂と真逆だとしたら……七瀬さんが二股かけられてたってこと?」「まぁ……そうですね」「それは辛かったわね。でも七瀬さんなら美人だから、すぐ彼氏出来るわよ」社交辞令的な慰めに、私はただ苦笑いするしかなかった。""  いざ仕事が始まれば、噂なんてどうでもよくなる。仕事中は、患者さんのことだけを考えていられるから。きついのは、昼休憩の時間だ。どこか外に食べに行ってもいいけれど、あいにく今日はお弁当を持参してきてしまった。少し面倒だけれど、歩いて近くの公園まで行ってそこのベンチでお弁当を食べるべきか。そこまでする必要はないかもしれないけれど、何となく人目を避けたい。一応蘭に、もし休憩時間が重なれば公園でお昼を食べないかと誘いのメッセージを送り、お弁当を手に取った。すると、眼科の待合室に突然甲斐が現れた。「七瀬、今から昼?」「うん。甲斐も?」「今日、弁当持ってきてるんだろ。ちょっと付き合え」甲斐はそれだけ告げて歩き出してしまったため、私は慌てて甲斐の後を追いかけた。甲斐の手には、コンビニ弁当やお茶のペットボトルが入った袋が掲げられている。「どこ行くの?私、今日は休憩室も食堂も使いたくないんだけど」「だろうな。今日、後輩に聞かれたよ。七瀬さんってああ見えて意外と男好きなんですかって」「男好きって……」私は思わず笑ってしまった。あのとき食堂で蘭と青柳に打ち明けた話が、どんなことになっているのか。あまりに事実からかけ離れていて、怒る気にもなれない。"" 身も心も溶けそうな夜"「……知ってるよ。俺その日、七瀬のそばにいたし」「え?そうなの?」
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