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annachoi

  喉まで出かかったため息を飲み込んで

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  喉まで出かかったため息を飲み込んで

喉まで出かかったため息を飲み込んで、サキカは過保護な彼に苦笑する。「もう大丈夫ですと申し上げたでしょう?」「私も貴方様の『大丈夫』というお言葉だけは、信用しておりません」せん」 フードに隠れた彼の顔は、きっと今不機嫌そうに歪められているであろう。「大したことはありませんよ。ただの体力と魔力の消耗が原因ですし」「貴方様の魔力があれほど消耗していたのを見たのは初めてです。あの魔力量なら、結界なしでも学生ですら耐えられたでしょう」 責めるように淡々と述べる彼。しかし、サキカはひかない。「もう三分の一近く回復しております。長時間寝ましたから体力も回復していますし……、何よりこれ以上寝ていたら、身体がなまってしまいますよ」 彼の視線が突き刺さる。しばしの間視線を交え、彼は大きくため息をつくと目を反らした。「全く貴方様は……。心配するこちらの身にもなってください」 ──勝った。何の勝負に勝ったのかはわからないが。 ガイアの説得に成功したサキカは身を翻し、眉根を寄せてこちらを見るローザンの方へと向かった。ローザンの方へ向かったのは、サキカの席が彼の隣だからである。「…………」 じっとこちらを見つめる彼の視線に気が付かないふりをして腰を下ろしたサキカは、マスターの手によって配られ始めた資料に目を向けた。 各ギルド本部への魔物や魔人の襲撃個体数、その他の襲撃された場所への魔物と魔人の襲撃個体数、建物への被害、人への被害、その他動植物や使い魔等への被害。.
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