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| 「頭目。落ち着いてくだされ。許松様は、これまで多くの功績を残されて来た方です。きっと何かお考えがおありなのです。」陳秀は、あくまで許松を立てるらしい。「お考え？！呆（ぼ）けてるだけじゃろ！」ろ！」「どうか、落ち着いて下され。許松様は、傷多く、年老いていても未だ健勝にございます。」その陳秀の反論に、顔を赤らめだしたたっつんは、「じゃぁ何か！ワシが呆けて…」と、言いかけたが、（はっ。いかん。）陳秀の失望するような表情に我に返った。そして、姿勢を正して座り直すと、「すまん…。また、悪い癖が出た。」と頭を下げた。その言葉に、陳秀の表情が徐々に緩まっていく。そして、陳秀はたっつんをフォローするためか、許松について語り出した。「あの御方は、たしかに偉大な英雄で無ければ、統率力も少し物足りない方でした。むしろ、あの方の弟である許棟（きょとう）様の方が優れた頭目でした。」 |